言水倫子の家庭教師道

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小学校受験では願書は非常に重要です。合格できる願書を書くために必要なこととは?

幼稚園受験・小学校受験にとって願書が非常に大切、ということは昨今広く知られるようになっています。
中学・高校受験と違い、小学校受験はお子さまだけの試験ではなくご家族の試験です。

考査をお受けになるのはお子さまですが、学校側がその学校にふさわしいご家族を選ぶための重要な資料、それが願書です。
ですから願書・考査・面接は「三位一体」どれを失敗しても小学校受験ではご縁をいただけません。
では、その重要な願書をどうやって書いたら良いのでしょう?

1.小学校受験の願書作成で失敗しない進め方

まずはこの3つのステップに沿って進めましょう。

ステップ① 下ごしらえ

ステップ② 情報収集

ステップ③ 鉄板の5つのポイントをおさえる

ステップ① 下ごしらえ

─材料が良いと料理も美味しい─

願書作成はある意味、お料理に似た部分があります。
基本となる材料をそろえて、それを組み合わせて味付けして使うからです。

基本となる材料になるのは・・・
ご家庭の教育方針
お子様にどのような人になってほしいか
ご家族で大切にしていること・気を付けていること
お子様の得意なこと・好きなこと
お子様の苦手なこと・短所
ご家族で楽しんでいること
お子さまが家族の一員として行っているお手伝い

などです。

どの学校の願書にもこれらの中の一つまたは複数を記載しますから、これらの基本的な材料はよく練り上げられた良いものであることが必要です。また、良いものであると同時にそれがお子さまやご家族の実態と合致するように、丁寧に毎日を送ってください。

どんなに立派な教育方針があっても、お子さまが実際にその方針をのように育っておられなければおかしいですし、こんなお手伝いをしていますと書いても、それを本当に毎日やっていなければ面接時にお子さまがお手伝いについて聞かれたときに(しかも最近はひとつひとつの回答に対して突っ込んだ質問をされることが増えています) そのお子さまらしい回答ができないのです。

日ごろから(できれば願書提出よりずっと前から)気が付いたことや大切だと思うことを書き留めておいて、その中からこれはと思うエピソードや表現を抜粋してギュッと圧縮してすぐ使えるようにておくこと。

願書のコアになる土台部分を丁寧につくる

これがステップ①の下ごしらえです。

お料理と違って、願書の下ごしらえはどんなに早く始めても早すぎることはありません。
年長さんの秋は本当に忙しく、秋からじっくり下ごしらえをすることは時間的に難しく、かつこれらを急に決めてもお子さまがそれを面接までに自分のものとして身に着けられません。

できれば春から、遅くても夏には下ごしらえをはじめましょう。

ステップ② 情報収集

─相手を良く知りましょう─

願書=学校に提出するラブレターです。

相手のことを知らなくてはラブレターは書けません。

学校説明会、学校見学、学校行事(運動会、ファミリーフェア、クリスマスミサなど)在校生や卒業生のご家族からのお話、学校HPや資料、書籍(慶應では澤諭吉先生の著書の感想を願書に必ず記載するようになっています) など

ありとあらゆる機会と情報源から学校についての理解を深めてください。

その学校で行われる説明会はもちろんのこと、合同説明会やその学校の絵画の作品展など、参加できる行事ほとんどすべてに参加されたような方は合格される確率が非常に高いのです。

○ 学校が大切にしていること

○ 学校の教育理念

これらをご自分のことばで置き換えて語ることができるくらい、しっかり頭に入れておきましょう。
名門校であれば特に、祖父母の代からのご卒業生で、生まれた時からその学校を目指しておられるような方も同じ考査をお受けになるライバルになります。そういう方たちは上記のことはもちろんのこと、

○学校が好むお子さまのタイプ

○学校が好むご家庭像

ここまでご存じのことが多く、そこをしっかりふまえた願書をお書きになります。

そんな中で「漠然と志願している」「なんとなくいいと思う」というだけでは通用する願書は書けません。

ですが、ご卒業生でもなく、ご縁がまったくなくても、良い願書を書くことは可能です。

誠実に、丁寧に、その学校を知るご努力を重ねてください。
真剣な思いは確実に学校に伝わります。

ちなみに以前、お父さまが外国籍という会員さまで、最難関と言われる小学校を受験されたご家庭がいらっしゃいました。
そのお父様は日本人にとっても難しいその学校の教育理念が書かれた本をみっちりと熟読されて丁寧に願書をお書きになりました。
願書添削を承った弊社の講師が「お父様の熱意と誠意に感動しました。学校にも伝わると思います」と言っておりましたが、やはり合格なさいました。

志願する学校を良く知る努力をすることは
イコール 学校に対する誠意を表すことになるのです。

ステップ③ 鉄板のポイント5つをおさえましょう

①下ごしらえ ②情報収集 が終わったら、いよいよ実際に願書作成にとりかかりましょう。

学校によって教育方針や好むご家庭像は異なりますが、次の5つのポイントは、ほぼどの学校でも共通の重要事項です。

① 抜き書き・文言そのままの使用はNG

学校にはかならず、メインの柱となる教育理念があります。その単語をひろってそのまま書くことは基本的にはNGです。
もちろん書いていけないことはないですし、印象が悪いということもないと思われますが、差別化ができません。

「御校の理念である○○○○に非常に共感し、感銘をうけました」

は皆さんがお書きになるフレーズです。

そうではなくて

→学校の理念がいかにご家庭の教育方針と合致しているのか。
そしてその理念とリンクした教育方針で今までどんな風にお子さまを育てていらしたか

をアピールしてください。

② 人気のキーワードには具体例を添えましょう

「思いやりの心をもち、人のために尽くすことのできる人になってほしい」

例えばこんなフレーズをお書きになる方はとても多いです。ですがこれだけでは「絵に描いたモチ」です。

→「 思いやりの心をもち、人のために尽くすことのできる人になってほしいという思いから、親子で3年間地域のゴミ拾い活動に参加させていただいており、月齢の違うお友だちや年配の方との交流の中で学ぶ貴重なチャンスをただいております」

こうなると実際の行動に裏打ちされて信頼感が確実に増します。そして面接でそのことを聞かれやすくできます。
立派な方針にはそれを日々実践しているという具定例を必ず添えましょう。

③ ワールドワイド感とお母様の仕事を語るのはNG

「グローバルな価値観」「ダイバーシティー」というような単語を願書添削で見つけたら、よほどその前後にその価値観をきっちりと裏付ける表現がない限り、真っ先に削除をお勧めしています。

また、「家族で世界中を旅して国際感覚を養っています」というような表現も削ります。

なぜか?というと、基本にするのは6歳以下の子どもですから、身近な場所で日常生活の中で丁寧にお子さんの感性を育んでいる、そういうご家庭の方が圧倒的に学校に好まれるからです。

また、昨今では誇りをもってイキイキと仕事に取り組んでおられるお母さまもたくさんいらっしゃり、仕事への想いを願書に綴られるケースもあります。私も仕事命の母親なのでお気持ちは本当によくわかります。ですが、基本的にはそこもバッサリ削ります。願書でアピールするべきはご家族の子育てや文化についてで、お母さまのキャリアではないからです。

④ 伝わりますか?ご家族の雰囲気と温かさ

ご家族にはそれぞれ、大切になさっていることや習慣があるはずです。
普段のご家族での情景が浮かんでくるような描写があると、そのご家庭の雰囲気や温かさがリアルに伝わります。

「毎朝家族3人で朝食前に近所の公園を散歩する時間を大切にしております。」

「家庭菜園で野菜づくりを楽しんでおり、自分で育てた食物をいただくという経験ができることで、娘は朝夕の水やりを率先して行ってくれています。」

「生き物を観察することが好きで、どこに行くにもスケッチブックをもって出かけ、出会った生き物を写生し、自宅に帰って図鑑で調べることを家族で楽しみにしております。」

など、素朴で身近で、継続性があり、かつアウトドア要素のからむ習慣だとベストではないでしょうか。

⑤ 一番大切なのは「謙虚さ」

入学する生徒を選ぶのは学校側ですので、受験者はあくまで学校から「選んでいただく」立場となります。

ですので、たとえば学校行事や学校ボランィアなどには
「できるだけ参加します」ではなく、
「喜んで参加させてただきます」というスタンスで臨みましょう。

また、子どもに
「○○させています」
「○○させるように指導しています」
も基本的にはNGです。

「○○するように親子で取り組んでいます」
「○○できるように家族で工夫しています」
のように、子どもだけでなくご両親も一緒の目線で取り組んでいることを表現してください。

学校に対しても
「御校で子供を学ばせたい」ではなく
「御校で親子ともども学ばせていただきたい」が正解です。

学校に対してはもちろん、お子さんに対してもなによりも謙虚な姿勢が伝わる文章を心がけてください。

以上の5ポイントをおさえるだけで、
願書の出来栄え・雰囲気が確実にレベルアップします。

2.ミセスサリヴァンが伝えたいこと

「願書は大手塾で見てもらうので大丈夫です」

願書のご準備は大丈夫ですか?と伺ったときにこうお答えをいただくことがよくあるのですが、
そんな時に必ずお話しするのが

「大手塾で願書を添削してもらうとバツではなくなります。
ですがハナマルにしてもらえるわけではありません」

ということです。

沢山の人数の生徒さんがいる大手塾では、提出された願書の下案の「良くない部分、間違っている部分」を直します。
例えばその願書の方向性が根本的に間違っていて大幅な書き直しが必要な場合や、そのご家庭には願書に書くべき素晴らしい点が別にある場合に、それを指摘して大幅な修正を提案するということはできません。たくさんの願書を添削する必要があるうえに、生徒さんお1人おひとりのバックボーンを理解しているわけではないからです。

また、幼稚園受験・小学校受験をされる方がたぶん一度は不安に思うことがあるはずなのは

卒業生含めてその学校にご縁がなくてはだめか?

という点です。

結論からいうとご縁がなくては不可能という学校はありません。
ですが、難関校であればあるほど

一見さんがドアを開けてもらうには、
ハナマルの願書で興味を持ってもらう

ということが必要です。

今年ご準備されている願書は
「ご家族とお子さまの魅力が伝わる、学校への情熱を込めた渾身の作品」
と思えるものに仕上がっていますか?

ご自宅にお邪魔してマンツーマンでお子さまとお母さまに接していると見えてくる、それぞれのご家庭の良い部分やご家族の強みが願書に活かされないことは、非常にもったいない、私どもはそう感じています。

そして何より、小学校受験はお子さまにとっても大変なのです。小さな体で頑張っているお子さまのご努力が、願書の失敗で報われないというような事態を絶対に回避するべく、それぞれのご家庭にとって最高の願書を仕上げてほしいのです。願書は文字の形も含め、ご両親の思いを雄弁に語ります。面接は願書をもとに行われますから、願書がしっかり書けていなければ、面接で良いやりとりができません。

また、良い願書を書き上げるためにはご両親で

〇どうしてその学校でなければならないのか

〇お子さまにどんな風に育ってほしいのか

をめいっぱい話しあってたくさん書き出すことになるはずです。

それをギュッと凝縮したエッセンスを願書に丁寧に綴ります。この作業は面接対策としても最高に有効です。
このプロセスを踏むことで、ご両親のご方針やお考えが一つにまとまり、面接でチグハグな回答をするというリスクがかなり軽減されます。

最後まで粘って、納得のいく願書を書き上げてくださいませ。
ミセスサリヴァンは講師一同、受験生さんのご家族を心から応援しております。

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